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| 鳥取|鳥取市の郷土料理グルメ店「花のれん」:トップ 稲葉肴ごよみ > 春 > 春の随筆 > 朝掘のタケノコ(竹の子) |
山陰の海・近くの畑・山里・深山・湖・河で四季折々採れる食材、特別のものではなく身近な材料を使った料理で、腕の良い板前が何時間も手間隙掛けて作る料理ではなく、料理人が十年修行したら作れ、また家庭でも十分に作れそうな料理を基準に綴りました。
四月も中旬を過ぎると、地物のタケノコがたくさん採れるようになります。タケノコは何といっても鮮度。「朝掘のタケノコ」といって朝早く掘り、なるべく早く熱処理して生長をとめると柔らかく風味のよいタケノコが味わえます。
山陰では「しまだのタケノコ」というとても上質のタケノコが手に入り、京都のタケノコにも負けぬくらいのうまさで、私の店でも地のタケノコが入るのを楽しみにしています。
タケノコが手に入ったら赤土を水で洗って穂先を切り落とし、皮のところに少し包丁目を入れて、米のとぎ汁またはヌカを入れたたっぷりの湯で湯がきます。
ときにはえぐみのあるタケノコも、トウガラシを入れると不思議となくなります。
火が通ったらいつまでもなべに入れておかずに、土間にあげて冷まします。皮をむいて掃除し、水につけておくと何日も日持ちするので、中の水だけこまめに換えてください。
タケノコを一・五センチくらいの厚さに輪切りにし、カツオの出し汁をひたひたに入れて薄口しょうゆと少量のみりんで吸物の出し汁より少し濃い目の味をつけて煮込みます。出し汁をタケノコに全部吸ってもらい、なべに一滴も出し汁がなくなったらカツオを手でもんで上にかけます。タケノコの粉節煮といって私は一番好きな食べ方です。
でも、頭の一番柔らかなところは粉節煮にしても、そうおいしくありません。薄く刻み、ワカメと若竹汁にすると風味豊かな吸い物になり、また木の芽とはよくあいます。
タケノコの皮と穂先の柔らかな部分は、絹皮といい、黄味酢で和えたり、豆腐の白和え、梅肉・ゴマといろいろな和え物にします。
根元の硬い部分は細かく切り、一度油でいためてサンショウの実をたっぷり入れて辛くたきますと、酒のさかなにもご飯のおかずにもなります。
変わった食べ方として、タケノコの木の芽焼きはいかがでしょう。タケノコを半分に、また大きいものだったら輪切りにし、かくし包丁を入れることがポイント。薄く下味をつけ、焼く前にサラダ油を塗って焼くと、味がまろやかになります。また、木の芽和えやすしの中に入れてもおいしく、タケノコで春の味を楽しみたいものです。
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